2012年11月28日水曜日

ゲームマーケット2012秋に参加して


** はじめに **

 ここではゲームマーケットに参加するにあたって思った事を書き連ねます。ゲームマーケットに遊びに来られる方や、サークルの方の参考になれば幸いです。

** 来場者 **

 4階の一般ブースで売り子をしながら見ていた感想としては、人の流れは前回と同じでした。
 10時の会場とともに有名サークルに行列ができました。それが収まるのが11時頃でした。それ以降はだんだん周りのサークルに人が散っていく感じで、試遊卓も人が増えていく時間帯です。その後、13時ごろまでは人混みが多い状態でしたが、それも中央の通りが混雑するぐらいで、全く身動きがとれなくなるということはありませんでした。中央の混雑がひどく見えたのは、試遊卓がないブースのため、空間にゆとりが無かっただけかもしれません。
 午前中の来場者はどっぷりゲームに浸かっているヘビーゲーマーといった感じで、ゲームもカバンいっぱいに買っている方が多かったです。お昼過ぎになると、来場者はゲームは1~2個を買うぐらいで、試遊卓がメインの方が増えました。
 15時に7階のオークションが始まると、ある程度の人が減りました。この頃になると、余裕の出てきたサークルの方が他のサークルを見て回っていました。
 ツイッターを見ていたらと、あまりの混雑に困惑しているようなつぶやきが多かったです。ですが、4階で売り子をしている限りは、程よい混み具合と感じました。
 ただ、大きなカバンを肩からかけたり、コロコロ鞄を引いている方は、荷物を減らす努力をしたほうが良いと思います。流石にここまで荷物が多いと、人混みの中を歩くのはつらそうです。こちらとしてもテーブルに鞄をぶつけられて展示品を散らされて困ったこともありました。会場内では宅配サービスやダンボールの販売をしているので、ある程度のゲームを購入したら、宅配に出したほうが良いと思います。トートバッグが必要なほどゲームを買える小遣いがあるのであれば、十分に宅急便を使えるはずです。また遠方からいらっしゃる方も、最寄りの駅でコインロッカーを利用頂ければと思います。批判がましい記述で申し訳ありませんが、イベントの円滑な運営を願ってのことですので、ご配慮いただければと思います。
 ところで、10時から有名サークルに並んで、11時には離脱する方も多かったようです。せっかく試遊卓では買わないまでも色々なジャンルのゲームを体験できるのですから、遊んで行かれればと感じました。
 一方で、サークルに取り置きを依頼して、列が無くなる11時ごろから来場して回収する方もいたようです。こういった行動で混雑による負担が減るのであれば、良いことと思います。

** ゲームの傾向 **

 初めて参加した時から感じていたことですが、ゲームマーケットは30分以内に遊べるゲームがメインになります。つまり試遊卓で遊べるものという事です。ただし、試遊して気に入ったから買っていく、というわけではないようです。
 つまり、試遊卓でのように30分ほどのゲームを遊ぶ事が多いプレイヤーがゲームマーケットに集まってきており、結果として30分位のゲームが人気があるということです。
 実際、遊んでみて買う人よりも、遊ばずに観ただけで買って帰る方のほうが多かったです。

** ゲームの事前広報 **

 ゲームの事前広報は非常に重要と思いました。当サークルではゲームマーケットの公式サイト以外にもツイッター、ブログを使用しています。
 公式サイトはゲーム概要の説明文を掲載しました。また、ブログへのリンクも掲載しました。ただ、公式サイトは他の書き込みがあると、下へと流れていくので、なかなかアピールは難しいと感じました。このことについては、他のサークルも悩んでいるようです。ですが、すでに参加サークル数が200を超えていますので、サークル別サイトの構成にすると状況がもっと悪化してしまうため、現状が精一杯と思いました。せいぜい、大型ブースと一般ブースで分ける程度でしょうか。
 ツイッターについては、事前の準備状況や当日の販売状況を逐次、つぶやきました。こちらについては、それなりにリツイートが見られたので、効果があったと思います。
 最後に当ブログですが、こちらにルールブックを掲載したところ、非常に評判がありました。公式サイトやツイッターでリンクを張ったので、単独での宣伝効果ではありませんが、ページビューの数は結構な数になりました。やはりゲームをじっくり吟味して買う方にとってはルールブックで事前判断できることは非常に助かるんだろうな、と思いました。
 なお、ブログにルールブックを掲載するのに、本来はPDFが良いのでしょうが、当ブログはPDFに対応していません。そのため、ルールブックをPNGなどの画像に変換してから、掲載する必要があります。もちろん、解像度は注意が必要で、600dpiにしておくと読みやすいです。
 とは言え、ルールブックの公開については、サークル側としては難しいところです。何故ならルールブックだけで「面白そう!」と思ってもらうのは非常に難しく、対面での説明や試遊卓でのプレイができたほうがサークル側としては楽ちんです。もちろん、ルールブックだけでゲームを遊べる状態にし、かつそのゲームの妙味も分かるようにするのは理想です。しかし、やはりアマチュアではルールの穴を埋めるのが精一杯で、同時に面白さまで伝えられる文章はなかなか書けません。逆に皆さんで読んでみて、分かりにくい部分があれば、サークル側に指摘していただけると、更新できて良いと思います。

** 当日の広報 **

 今回、萬印堂でキャンペーン・プレゼントしていたカード置きを使用しました。これは非常に便利でした。以前からブースのテーブルの上にゲームやルールブックを広げて、来場者への説明に使用しているのですが、当サークルは常に3~5種類のゲームを並行して扱っているため、テーブルが手狭な状態でした。それがカードを立てて展示できるだけでコンパクトに展示できるようになりました。来場者から見てもテーブルに並べるよりも見やすかったと思います。
 ポスターはテーブルの前に貼っています。来場者の視線を見ていると、結構、役に立ったみたいです。欠点としては、4枚もポスターをぶら下げていたら、どのゲームに興味が有るのか売り子側からは判断できなかったことですが、これは仕方がないですね。来場者に「どのゲームが面白そうに思いました?」と聞くしか無いです。話しかけるきっかけにはちょうど良かったですが。それと、逆説的ですが
ポスターに「完売」と書いていると、注目されました。きっと次回に買ってもらえることでしょう!とは言え、当サークルはいつも5個ずつくらいしか搬入していないので、売り切れが早いだけなのですが。
 ところでポスターを壁に貼っているサークルがありましたが、ルール違反なのでやめましょう。壁が痛むと、会場を借りられなくなるかも知れないですし。後ろにポスターを掲げたいのであれば幟用の竿を持ち込めば良いと思います。
 チラシについては失敗しました。今回は150枚を刷って、入り口のチラシ置き場に置きました。しかし30サークルぐらいがチラシを用意していたので、到底、読んでもらえる状態ではありませんでした。途中からブースで手配りをしました。とは言え、ブースに来ていただいた時点で当サークルに興味がある訳ですから、あまりチラシは必要ないと思います。色々と見ながら流している人にも配りましたが、どれほど読んでもらえるかは心もとないです。

** 試遊卓 **

 今回、試遊卓には3つのゲームを並べました。客寄せパンダの4人用「トゥールハンマー!」、新作で3~4人用の「パトレイバー」、同じく新作で3~7人用の「TIGER & BUNNY」です。3つとも原作ありのため、注目度はありました。
 ただ、やはり試遊卓で大切なのは遊べることです。今回、試遊卓に2名を配置していました。そのため1人で遊びにこられた場合は、3人用ゲームで遊ぶ格好になります。2~3名で来られると、幅広く遊べます。あるときは5人組の集団もありました。今回はTIGER & BUNNYが7人まで対応ということで、ちょうど良かったです。
 とは言え、今回は2人用ゲームの準備がなかったので、1人で来られた方には良くなかったと反省しています。次回は「家族会議」のver2を用意したいと思います。
 ところで、サークル側から来場者にお願いしたい点としては、ぜひ2~3人で参加いただければということです。2人用のゲームというのは、デザインが難しく、多くのゲームが3~5人用になります。そのため試遊卓で遊ぶには2~3人で来ていただけると、遊びやすくなります。ぜひ、周囲の方を誘って、遊びに来て頂ければと思います。有名サークルは取り置きをお願いし、10時から試遊卓で遊び倒すのも良いと思います。

** おわりに **

 以上が、ゲームマーケット2012秋に参加しての感想と反省点です。次回のゲームマーケットも参加したいと考えています。次回も多くの方と出会い、また自分の作ったゲームが多くの方に遊ばれるのを楽しみにしております。

2012年10月16日火曜日

創作物におけるリアリティについて


 ゲームを作るとき話題になることに、リアリティばかりを追究してもゲームは面白くならないのでは?というものがあります。
 そこでゲームを中心に小説・漫画・アニメ・映画を含めた創作物について書きます。

SFを例にして 

 ハードSFで扱われる手法で、ギミック(小物)を用意してそれに関わる人々がどう行動するかを描く手法があります。
 例えばタイムマシンです。タイムマシンを手にした人々は時間を遡って歴史に介入します。そうなると、不都合な介入を阻止する人々も現れます。ここで人々が採った行動は筋が通っていてリアリティがあります。
 ところがそもそもタイムマシンの存在にリアリティはありません。しかしタイムマシンを扱った創作物は楽しいものです。それは、タイムマシンを手にいれた人々が必死に自分の人生を生き抜いている姿があるからです。歴史への介入が禁断の誘惑として登場してくることに違和感を持つプレイヤーや読者はいないでしょう。
 
 つまりこのブログの意見としては、「作品中の人々にとってリアリティがあることが大切ではないか」ということです。

 以下、おまけです。

実際に存在するものを扱うとき

 ところで私達が住むこの世界を基にゲームを作る時はどうでしょう?
 武器の弾数がゲーム性に関わる場合についての話がでています。そこでは具体的な設問として「弾数30発の武器があるが、25発のほうがゲームバランスが良い場合にどうするのか?」としています。
 この場合、ゲーム側を修正するべきだと考えます。
 例えば30発でバランスがとれるように撃たれる側の強さや数を増やすことです。また、その武器が強いなら、登場タイミングを遅くするなど。逆に弾数を数えないシステムにするのはどうでしょうか。例えば機関銃は弾数ではなく、掃射回数で処理したほうが良いですよね?射撃速度が早いなら、弾切れが早い代わりに命中率や威力が増すとして処理するのです。
 結局、私達のこの世界を基にしていても、それを作品にする過程で行う抽象化の内容が大切であるということです。これはゲームデザイナーでも作家でも同じだと思います。

ファンタジーは格下か?

 話は飛びますが、ファンタジーはSFより格下だと言われる事があります。これもリアリティに関する考え方が影響していると感じます。
 リアリティを阻害する要因の一つが作者によるご都合主義があります。話の初めのうちは暗に否定されていた存在が、途中から理由もなく登場したりすると、プレイヤーや読者は面食らいますよね。こういったことはどんな創作物でも気をつけることだと思います。
 ところが、ご都合主義になってしまいやすい環境は、SFよりもファンタジーにあると思います。
 例えば、ある神話大系の中でストーリーが進んできたところで、それと相容れない神が登場しても、信仰は人々がそれぞれ信じていれば成り立ちます。そのためたいして矛盾せずに新しい神の存在を導入できます。
 ただし、話の初めに神話大系を完全に提示して、例外を認めずに話を進めた場合は別です。この場合はプレイヤーや読者は大いに面食らうでしょう。例えば、2大神を頂点に神々が2つの勢力に別れて争っているとします。ここに突如、第三勢力が襲ってきたとしたら、おかしいですよね。それよりは「各勢力から2大神に対して懐疑的になった神々が新たに第三勢力を結成した」とすれば矛盾なく話が進みます。
 一方、SFではこのような事は起きにくいです。何故なら作者が想像したギミック以外の法則は(物理学的にも心理学的にも社会学的にも)我々の住むこの世界と同じとしている為です。これは暗に存在する設定とでも言えるものです。
 もちろん、ファンタジーでもリアリティを持った作品があります。全編を読み切ったわけではないので又聞きですが、指輪物語はその一つだそうです。トールキンは言語学の視点から中つ国を創造しており、物語の中でも言語が重要な点になるとのことです。
 結論としては、SFだから格式が高いのでもファンタジーだから格式が低いのでもなく、それぞれの作品の中で判断していくものだということです。
 ただ、傾向としてはファンタジーよりSFのほうが格調高い作品が多いようには感じます。

2012年6月23日土曜日

魔法少女まどか☆マギカの再放送を見終わって


面白かったです。

以下、全話を見終わった感想を綴りますが、ネタバレは嫌いなので、2話目以降の内容に触れないようにします。そのため、観ている人には奥歯に物が詰まったような書き方に感じるかもしれませんが、ご容赦下さい。放送は終了しているから、ネタバレしても良いような気もしますが。

魔法少女まどか☆マギカ(以下、まどマギ)は大変に優れたSFだと思います。
まず、こちらで以前も述べた、「リアリティ」があることです。ご都合主義のような後付けの設定はなく、全話を通して全ての内容に必然を感じられます。
   キュウベイの存在を仮定する。→Bとなる。
   Bが存在するなら→Cとなる。
   Cが存在するなら→Dとなる。
   Dが存在するなら・・・・・・
まさにガジェットを想定し、「人が、社会が、人類が、世界がそれにどう対応するのか」という考え方で話が構成されています。
各話の進み方も秀逸です。常に新しい情報が付加されていき、その中で楽しく観ている側が翻弄されます。残念なSFでありがちなのが、世界観などの裏設定の説明に追われるということがあります。しかしまどマギでは情報の付加がテンポよく行われます。
また、視点・語り部の設定がきちんと行われていることも良かったです。話は最終話に向けて一気に壮大な物語へと広がっていきますが、その中で語り部の存在が徐々に浮き上がるようになっています。オープニング曲が1曲というのも良かったです。歌詞も良く練られたものです。
改めて振り返ってみると、製作時に全ての内容をよく練って、作り込まれているということだと思います。だからこそ、始めから最後まで面白かったのだと思うのです。

2012年5月12日土曜日

ゲームマーケット2012春

平成24年5月13日に開催されるゲームマーケットに参加することになりました。
今回は既存のゲームの装丁を新たにして、頒布いたします。
イラストはFirst Moon(http://www.first-moon.com/)からの提供です。

そのほか、
・ボードゲーム トゥールハンマー!
・カードゲーム 頑張れ妖精さん
・カードゲーム 笑点
もあります。
場所は4階左奥のNo.623のブースです。プレイ卓もあります。
皆様のご来場をお待ちしております。