2013年8月9日金曜日

2人用協力型カードゲーム「家族会議」ルールブック

 ここでは、当サークル作製のオリジナルカードゲーム「家族会議」を紹介します。
 このゲームのコンセプトは「ゲーマーが初心者を誘って遊べるゲーム」です。初心者向けに夏休みの絵日記という親しみやすい題材を扱い、ゲームも短時間で終わる手軽な作りになっています。そして、最大の特徴は“協力型”のゲームということです。

 一般的に2人用のゲームは将棋やチェスを筆頭に、対戦型のゲームが主流です。対戦型のゲームではゲーマー側が手加減をしない限り、初心者側は一方的に攻め立てられてしまいます。そのため気まずくなることも多々あります。
 一方、スコットランドヤードやアーカムホラーのような協力型のゲームであれば、仲良く遊ぶことができますが、プレイヤー人数が必要です。
そこで“2人用協力型ゲーム”を作りました。

 このゲームが「家族や友達とちょっとアナログゲームを遊んでみる」そんなきっかけ作りになればと思います。

2013年2月28日木曜日

カードゲーム作成におけるAdobe Acrobatの設定

はじめに

 このブログでは、オリジナルのカードゲームを作るにあたって、印刷所を利用する場合の壁の一つである、入稿データの作成について述べます。
 もっとも確実なのはAdobe Illustratorを用いる事です。しかし、そのためにはソフトを使いこなす十分な技術が必要ですし、さらにソフト購入費が高くつくことが問題となります。
 そこで、ここでは同じAdobe製品でも比較的費用を抑えられるAdobe Acrobat Professionalと、多くの方の手になじんでいるオフィス系のソフトの組み合わせで、入稿データを作成した過程を掲載します。
 ご参考になれば幸いです。

カードのデザイン

 カードのデザインはOpen Officeを用います。同系列のLibre Officeでも構いません。これらのソフトは無料で配布されています。
 Open Officeを用いる理由としては、2点あります。
 1点目はDrawがあることです。多くの方が馴染んでいるMicrosoft Officeにはドロー系の機能はなく、せいぜいパワーポイントを利用する程度です。これでは細かい設定が出来ないため、環境としては貧弱です。なお、パワーポイントを使った事のある方であれば、Open Office Drawもすぐに使えるようになると思います。
 2点目としては、フォントのアウトライン化ができることです。アウトライン化とは、文字を絵として認識する機能です。作品中の文字はファイルの中ではなく、OSの中に保存されています。そのため、印刷所のOSにあなたの使用したフォントが無い場合、印刷できない事になります。ところが、文字をアウトライン化で絵として認識した場合、データはファイルに保存されるため、印刷所のOSにフォントが無くても印刷できます。
 以上の理由からOpen Officeによる作成をお勧めします。
図:Open Officeを使ったカードの作成例

 なお、ここではカードの作成に際しては、次の設定にしたものとして、話を進めます。
・ページの設定は幅75mm、高さ100mmとし、その中央にカードをデザインする。
・カードのサイズは幅63mm、高さ88mmとする。
 以下の説明の中で、サイズはこの設定をもとにしています。違うサイズのカードを作成する場合は、適宜、数字を変更してください。
 Open Officeの解説については、また別の機会を設けたいと思います。

Adobe Acrobat Professionalを用いる理由

 印刷所に入稿する場合、基本的にはIllustratoraiファイルで入稿するところが多いですが、同じくAdobe PDFでも対応してもらえることもあります。そのため、Open Officeで作ったファイルをPDFファイルに変換します。
 ここまではAdobe Acrobatであれば、StandardでもProfessionalでも同じです。問題はトンボの作成です。トンボの作成機能は、Standardには無く、Professionalにあります。そのため、Adobe Acrobat Professionalが必要になります。
 高いソフトですが、紹介する方法は入稿の直前だけ使用するため、キンコーズの店頭PCレンタルを利用すれば費用の節約になると思います。つまり、無料のOpen Officeを使って自宅でゆっくりカードのデザインを行い、店頭で手早く変換することで、費用を抑える訳です。

Open OfficeからPDFへのファイル変換

 Open Officeのファイルを印刷でAdobe PDFプリンターを使って、PDFファイルに変換します。
 ここで、PDFのファイル形式は多岐にわたります。このうち、PDF/X-1aを使用する必要があります。プリンタをAdobe PDFに設定したら、プロパティをクリックします。
 すると、Adobe PDF設定のタブに『PDF設定』というプルダウンメニューがあるので、『PDF/X-1a』を選びます。

 用紙サイズをカードの大きさに合わせます。『Adobe PDFのページサイズ』の『追加』のボタンをクリックします。
 そうすると、A4サイズの画面が出ますので、『用紙名』を75x100と上書きします。単位がmmになっているのを確認し、『幅』を75、『高さ』を100と上書きします。最後に『追加/変更』のボタンをクリックします。これで、Adobe PDFのドキュメントのプロパティ戻ります。この設定は、初めて作業する時に必要ですが、2回目以降は設定が保存されるので、不要です。

  『Adobe PDFのページサイズ』のプルダウンメニューから『75x100』を選びます。
 最後に『OK』のボタンをクリックします。

 印刷の画面に戻りますが、プレビューがカードのサイズに変わっていることが確認できます。
 最後に『印刷』のボタンをクリックして、PDFファイルを作成します。 

 Adobe Acrobat Professionalによるトンボの作成

 作成したPDFファイルをAdobe Acrobat Professionalで修正していきます。

 まず、トンボを印刷するための空間を用意します。メニューからアドバンスト/印刷工程/ページのトリミングを選びます。



 右下の『ページ範囲』を『すべて』に設定します。次に『ページサイズを変更』の『カスタム』を選び、『幅103、高さ128』と入力します。『OK』のボタンをクリックします。



 元の画面に戻ると、カードの周りの空間が広がっていることが確認できます。もう一度、メニューからアドバンスト/印刷工程/ページのトリミングを選びます。



 『余白のトリミング』の中で、『トリミングサイズ』となっているプルダウンメニューから、『裁ち落としサイズ』を選びます。
 次に『余白の制御』の『上下左右』をすべて20mmに設定します。これにより、幅103mm、高さ128mmの紙面を裁断機で幅63mm、高さ88mmのカードサイズに裁つことになります。



 同様にプルダウンメニューから『仕上がりサイズ』を選択し、『余白の制御』をすべて20mmに設定します。最後に『ページ範囲』を『すべて』に設定し、『OK』のボタンをクリックします。

 トンボの作成を行います。メニューからアドバンスト/印刷工程/トンボの追加を選びます。

 『すべてのマーク』のチェックボックスをチェックします。プルダウンメニューから『IllustratorJ』を選びます。『OK』のボタンを押します。



 警告が出ますが、無視をして『はい』のボタンをクリックします。


  警告が出ますが、無視をして『OK』のボタンをクリックします。

 以上で作業は終わりです。

2012年11月28日水曜日

ゲームマーケット2012秋に参加して


** はじめに **

 ここではゲームマーケットに参加するにあたって思った事を書き連ねます。ゲームマーケットに遊びに来られる方や、サークルの方の参考になれば幸いです。

** 来場者 **

 4階の一般ブースで売り子をしながら見ていた感想としては、人の流れは前回と同じでした。
 10時の会場とともに有名サークルに行列ができました。それが収まるのが11時頃でした。それ以降はだんだん周りのサークルに人が散っていく感じで、試遊卓も人が増えていく時間帯です。その後、13時ごろまでは人混みが多い状態でしたが、それも中央の通りが混雑するぐらいで、全く身動きがとれなくなるということはありませんでした。中央の混雑がひどく見えたのは、試遊卓がないブースのため、空間にゆとりが無かっただけかもしれません。
 午前中の来場者はどっぷりゲームに浸かっているヘビーゲーマーといった感じで、ゲームもカバンいっぱいに買っている方が多かったです。お昼過ぎになると、来場者はゲームは1~2個を買うぐらいで、試遊卓がメインの方が増えました。
 15時に7階のオークションが始まると、ある程度の人が減りました。この頃になると、余裕の出てきたサークルの方が他のサークルを見て回っていました。
 ツイッターを見ていたらと、あまりの混雑に困惑しているようなつぶやきが多かったです。ですが、4階で売り子をしている限りは、程よい混み具合と感じました。
 ただ、大きなカバンを肩からかけたり、コロコロ鞄を引いている方は、荷物を減らす努力をしたほうが良いと思います。流石にここまで荷物が多いと、人混みの中を歩くのはつらそうです。こちらとしてもテーブルに鞄をぶつけられて展示品を散らされて困ったこともありました。会場内では宅配サービスやダンボールの販売をしているので、ある程度のゲームを購入したら、宅配に出したほうが良いと思います。トートバッグが必要なほどゲームを買える小遣いがあるのであれば、十分に宅急便を使えるはずです。また遠方からいらっしゃる方も、最寄りの駅でコインロッカーを利用頂ければと思います。批判がましい記述で申し訳ありませんが、イベントの円滑な運営を願ってのことですので、ご配慮いただければと思います。
 ところで、10時から有名サークルに並んで、11時には離脱する方も多かったようです。せっかく試遊卓では買わないまでも色々なジャンルのゲームを体験できるのですから、遊んで行かれればと感じました。
 一方で、サークルに取り置きを依頼して、列が無くなる11時ごろから来場して回収する方もいたようです。こういった行動で混雑による負担が減るのであれば、良いことと思います。

** ゲームの傾向 **

 初めて参加した時から感じていたことですが、ゲームマーケットは30分以内に遊べるゲームがメインになります。つまり試遊卓で遊べるものという事です。ただし、試遊して気に入ったから買っていく、というわけではないようです。
 つまり、試遊卓でのように30分ほどのゲームを遊ぶ事が多いプレイヤーがゲームマーケットに集まってきており、結果として30分位のゲームが人気があるということです。
 実際、遊んでみて買う人よりも、遊ばずに観ただけで買って帰る方のほうが多かったです。

** ゲームの事前広報 **

 ゲームの事前広報は非常に重要と思いました。当サークルではゲームマーケットの公式サイト以外にもツイッター、ブログを使用しています。
 公式サイトはゲーム概要の説明文を掲載しました。また、ブログへのリンクも掲載しました。ただ、公式サイトは他の書き込みがあると、下へと流れていくので、なかなかアピールは難しいと感じました。このことについては、他のサークルも悩んでいるようです。ですが、すでに参加サークル数が200を超えていますので、サークル別サイトの構成にすると状況がもっと悪化してしまうため、現状が精一杯と思いました。せいぜい、大型ブースと一般ブースで分ける程度でしょうか。
 ツイッターについては、事前の準備状況や当日の販売状況を逐次、つぶやきました。こちらについては、それなりにリツイートが見られたので、効果があったと思います。
 最後に当ブログですが、こちらにルールブックを掲載したところ、非常に評判がありました。公式サイトやツイッターでリンクを張ったので、単独での宣伝効果ではありませんが、ページビューの数は結構な数になりました。やはりゲームをじっくり吟味して買う方にとってはルールブックで事前判断できることは非常に助かるんだろうな、と思いました。
 なお、ブログにルールブックを掲載するのに、本来はPDFが良いのでしょうが、当ブログはPDFに対応していません。そのため、ルールブックをPNGなどの画像に変換してから、掲載する必要があります。もちろん、解像度は注意が必要で、600dpiにしておくと読みやすいです。
 とは言え、ルールブックの公開については、サークル側としては難しいところです。何故ならルールブックだけで「面白そう!」と思ってもらうのは非常に難しく、対面での説明や試遊卓でのプレイができたほうがサークル側としては楽ちんです。もちろん、ルールブックだけでゲームを遊べる状態にし、かつそのゲームの妙味も分かるようにするのは理想です。しかし、やはりアマチュアではルールの穴を埋めるのが精一杯で、同時に面白さまで伝えられる文章はなかなか書けません。逆に皆さんで読んでみて、分かりにくい部分があれば、サークル側に指摘していただけると、更新できて良いと思います。

** 当日の広報 **

 今回、萬印堂でキャンペーン・プレゼントしていたカード置きを使用しました。これは非常に便利でした。以前からブースのテーブルの上にゲームやルールブックを広げて、来場者への説明に使用しているのですが、当サークルは常に3~5種類のゲームを並行して扱っているため、テーブルが手狭な状態でした。それがカードを立てて展示できるだけでコンパクトに展示できるようになりました。来場者から見てもテーブルに並べるよりも見やすかったと思います。
 ポスターはテーブルの前に貼っています。来場者の視線を見ていると、結構、役に立ったみたいです。欠点としては、4枚もポスターをぶら下げていたら、どのゲームに興味が有るのか売り子側からは判断できなかったことですが、これは仕方がないですね。来場者に「どのゲームが面白そうに思いました?」と聞くしか無いです。話しかけるきっかけにはちょうど良かったですが。それと、逆説的ですが
ポスターに「完売」と書いていると、注目されました。きっと次回に買ってもらえることでしょう!とは言え、当サークルはいつも5個ずつくらいしか搬入していないので、売り切れが早いだけなのですが。
 ところでポスターを壁に貼っているサークルがありましたが、ルール違反なのでやめましょう。壁が痛むと、会場を借りられなくなるかも知れないですし。後ろにポスターを掲げたいのであれば幟用の竿を持ち込めば良いと思います。
 チラシについては失敗しました。今回は150枚を刷って、入り口のチラシ置き場に置きました。しかし30サークルぐらいがチラシを用意していたので、到底、読んでもらえる状態ではありませんでした。途中からブースで手配りをしました。とは言え、ブースに来ていただいた時点で当サークルに興味がある訳ですから、あまりチラシは必要ないと思います。色々と見ながら流している人にも配りましたが、どれほど読んでもらえるかは心もとないです。

** 試遊卓 **

 今回、試遊卓には3つのゲームを並べました。客寄せパンダの4人用「トゥールハンマー!」、新作で3~4人用の「パトレイバー」、同じく新作で3~7人用の「TIGER & BUNNY」です。3つとも原作ありのため、注目度はありました。
 ただ、やはり試遊卓で大切なのは遊べることです。今回、試遊卓に2名を配置していました。そのため1人で遊びにこられた場合は、3人用ゲームで遊ぶ格好になります。2~3名で来られると、幅広く遊べます。あるときは5人組の集団もありました。今回はTIGER & BUNNYが7人まで対応ということで、ちょうど良かったです。
 とは言え、今回は2人用ゲームの準備がなかったので、1人で来られた方には良くなかったと反省しています。次回は「家族会議」のver2を用意したいと思います。
 ところで、サークル側から来場者にお願いしたい点としては、ぜひ2~3人で参加いただければということです。2人用のゲームというのは、デザインが難しく、多くのゲームが3~5人用になります。そのため試遊卓で遊ぶには2~3人で来ていただけると、遊びやすくなります。ぜひ、周囲の方を誘って、遊びに来て頂ければと思います。有名サークルは取り置きをお願いし、10時から試遊卓で遊び倒すのも良いと思います。

** おわりに **

 以上が、ゲームマーケット2012秋に参加しての感想と反省点です。次回のゲームマーケットも参加したいと考えています。次回も多くの方と出会い、また自分の作ったゲームが多くの方に遊ばれるのを楽しみにしております。